スキージャンプ・葛西紀明選手が41歳で悲願の銀メダル - ソチ五輪

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
葛西紀明選手(2006年)
カミル・ストッフ選手(2007年)

【2014年2月16日】

スポーツニッポンによると、ソチオリンピックノルディックスキージャンプ男子・ラージヒルが現地2月15日に行われ、日本葛西紀明選手が、1本目・139m、2本目133.5mの合計277.4点で銀メダルを獲得した。葛西選手は1994年のリレハンメルで団体戦の銀メダルを受賞して以来、個人としては初のメダルとなった。また日本のジャンプ陣がメダルを獲得したのは1998年・長野大会での船木和喜選手の個人戦と、団体戦で挙げた2つの金メダル以来となる。41歳でのメダル受賞は、日本選手が冬季五輪で挙げたものとして最年長となった。

日刊スポーツによると、優勝はノーマルヒルも制したポーランドカミル・ストッフ選手で、1回目・139m、2回目132.5mの278.7点を出して2冠。その他日本勢は伊東大貴選手が9位、清水札留飛(れるひ)選手が10位、竹内拓(たく)選手が13位に終わった。

時事通信によると、葛西選手は試合後、多くの外国報道機関に囲まれて会見をし、長野五輪の前年(1997年)に実家の火災で死去した母・幸子さん(享年48)からもらった手紙を五輪ごとに読み返し、「僕を支えてくれた一番大事な母だった」と回想。今回はあえて日本に手紙を置き、母の存在に頼っている自分に気づき「自分を強く持ってやろうと思った」と振り返っている。また病気と闘っている妹に対しても「いつかメダルを取って恩返しをしたいと思っていた。これで妹も元気になってくれるかな」とコメントを寄せた。

葛西選手の勤務先・出身地では[編集]

NHK[1]によると、葛西選手が所属している札幌市土屋ホーム本社では、ジャンプ女子7位の伊藤有希選手をはじめとした社員ら100人がテレビの中継を見守り、葛西選手のジャンプに声援を送り、メダルが確定すると万歳三唱が行われた。伊藤選手は同スキー部の監督でもある葛西選手から指導を受けており「本当に素晴らしいです。私の中では金メダルです」と喜びを語った。

またNHKの別の記事[2]によると、葛西選手の地元である北海道下川町では、総合福祉センターに特設の応援会場が設えられて、葛西選手の同級生ら約130人が声援を送り、メダル確定が伝えられると、観客が抱き合ったり、飛び跳ねたりして喜びを分かち合ったという。地元のスキー少年団の女の子(小学4年)は「葛西選手のジャンプがすごかったです。8回目のオリンピックもいけると思いました」と述べている。

情報源[編集]

  1. 「葛西の所属企業も喜びに沸く」より
  2. 「葛西の地元 北海道下川町では」より