ばんえい競馬の「中高年の星」ゴールデンバージが引退

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)

【2012年10月29日】

ばんえい競馬の史上最高齢馬であった[1]ゴールデンバージ(牡、15歳、阿部武臣騎手、山田勇作調教師[2])が、28日に競走馬を引退した[1][2][3]。 馬主は奈井江町在住の川端悟氏(63)[2]。 通算成績は223戦36勝[2][3]。 後ろ脚の状態を今春に傷めてから回復が思わしくなかった事により、引退という決断に至った。[1]

ゴールデンバージは1997年5月に白糠町の牧場で生まれ[3]、1999年に競走馬デビュー[1]。 高齢となった事により、草ばん馬へ転進するため2008年6月20日の第9レースを最後に出走が途絶え、2009年10月に一度は競走馬登録を抹消された[4]。 その後は道南道央などの草ばん馬へ出走していたが[4]食肉処分が検討された為[1][3]、 処分する旨を聞きつけた山田調教師が馬主へ働きかけ、ゴールデンバージを安値で購入してもらう事となった[4]。 当初は馬主の意向で草ばん馬へ出走させる予定であったが、口蹄(こうてい)疫の発生によって各地の草ばん馬が中止となった[4]。 その為、ばんえい競馬で再出発を目指す事となり、2010年7月19日にばんえい競馬のレースへ戻ってきた[4]。 復帰レースでは2位に対し、10馬身も離す強さを見せつけ、見事に競走馬としての再デビューを果たした[4]。 復帰後は引退までに5勝を記録[1]。 勝利の中には、昨年6月にてばんえい競馬史上初となった最高齢(14歳)馬による勝利も含まれる[3][5]。 復帰後の活躍により、ゴールデンバージは「中高年の星」として称えられた[1][2][3][4]

今回の引退にあたって、引退レースが28日の第2レースにて行われた。 ファンは全国から約1,000人が集まった。 出走頭数は10頭となり、ゴールデンバージは単勝1番人気となる。 レース結果は最下位ではあったが見事に完走を果たした。 同馬が懸命にレースを行う姿に、場内のファンからは励ましの声援が送られた。感極まり涙ぐむファンの姿もあった。レース後のセレモニーではゴールデンバージへ、馬主の川端氏と妻のみや子氏(63)から表彰状と花束が贈られ、ファンからはニンジンが贈られた[2]

ゴールデンバージの引退レース後、 田中敬二市ばんえい振興室長は「最後まで力走する姿に感動した」と同馬の完走を称え[2]、 阿部武臣騎手は「最後まで頑張ってくれた。ありがとうと言いたい」と同馬の健闘を褒めた[3]。 馬主の川端氏は「皆さんに応援してもらえたから、ここまで頑張れた。無事にゴールしてくれてよかった」と同馬の無事を喜び[1]、 山田調教師は「本調子でない中、よく完走した。長生きしてほしい」と、同馬のこれからの余生について想いを馳せた[2]。 引退後は川端氏の牧場にて種馬として余生を過ごすという[2]

情報源[編集]

  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 1.7 さらば「中高年の星」ゴールデンバージが引退レース』 — スポーツニッポン, 2012年10月28日 18:36(UTC+9)
  2. 2.0 2.1 2.2 2.3 2.4 2.5 2.6 2.7 2.8 小縣大輝 『中高年の星 ゴールデンバージ引退』 — 十勝毎日新聞, 2012年10月29日 (UTC+9)
  3. 3.0 3.1 3.2 3.3 3.4 3.5 3.6 島田賢一郎 『「中高年の星」 牧場で余生』 — 朝日新聞社, 2012年10月29日 (UTC+9)
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 山崎大和 『満13歳のゴールデンバージが復活勝利』 — 十勝毎日新聞, 2010年7月21日 (UTC+9)
  5. カスリの横田記者 『ゴールデンバージ若いぞ!史上初の14歳馬勝利に感動した。俺も頑張ろう』 — 十勝毎日新聞, 2011年6月13日 (UTC+9)

外部リンク[編集]