「羽田空港をハブ空港に」 前原国土交通大臣発言に大阪府・橋下知事反発

出典:『ウィキニュース』(ベータ版)
羽田空港で建設中のD(第4)滑走路(2009年。GFDL)

【2009年10月13日】

日経新聞によると、前原誠司国土交通大臣大阪府橋下徹知事が10月12日(UTC+9)会談し、前原大臣が、「羽田空港を国際化とハブ空港にする」意向を示し、関西空港のハブ空港化については言及しなかった。

前原氏(2006年。PD:参考資料)
橋下氏(2008年。PD:参考資料)

前原大臣は、「関空の抜本改革案は必要であるが、まず羽田空港を24時間国際空港化に道筋をつけた上で、関西の3つの空港(関空、大阪空港神戸空港)の役割分担も含めて検討する」と話した。その上で、「日本にはハブ空港が存在しない。2010年10月に羽田に第4の滑走路ができることを機に、成田空港は国際線、羽田は国内線という内際分離を取り払って、羽田の24時間国際空港化を目指したい」と話している。朝日新聞によると、前原大臣は、「仁川(インチョン)空港に日本のハブ空港を取られてしまっている」と指摘。日本でのハブ空港の必要性を訴えた。

日経新聞によると、これに対し、橋下知事は「国土交通大臣の頭の中には羽田のハブ空港化しかないようだ。国家戦略の中で、関空をハブ空港としないのであれば、大阪府は(関空の)関連予算の計上を見送る」と反発した。

朝日新聞によると、翌13日に成田市小泉一成市長は、「寝耳に水だ。成田は国際線、羽田は国内線という大原則を一方的に取っ払うことは民主的な対応とは言えない。地元の意見を聞かずに決めるのは八ッ場ダムと同じ構図だ」と前原大臣を批判し、「課題だった都心からのアクセス改善のために、来夏に開業する成田新高速鉄道にも地元は多額の資金を出してきた。『国際空港は成田が基幹』と言ってもらわなければ」と訴えた。成田空港は、B滑走路の2500メートル延伸が完了し、国際線の大型機向け滑走路が2本揃ったばかりであった。

読売新聞によると前原大臣は閣議後の記者会見において、「ハブになりうるのは、まず羽田。ただ首都圏空港の一体的運用は続けていきたい」という考えを明らかにした。また、朝日新聞によると、その記者会見において前原大臣は、小泉市長と電話で話し、千葉県森田健作知事とは14日の会談で考えを説明する、と語った。また、成田空港には約40の国や地域が新たに乗り入れを希望していることを理由に、羽田の国際化が進んでも、「成田がダメになるということではない」と述べた。

産経新聞によると神奈川県松沢成文知事は、定例記者会見において、「大賛成だ。日本経済の中心地である首都圏で、ハブ空港の機能強化をしないといけない」と述べた。羽田の国際機能付与とハブ空港化だけでなく、成田空港を結ぶリニアモーターカー建設でアクセス時間の短縮を目指し、双方の有効活用すべきという考えを示した。

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